魚の摂取と、
不整脈のひとつである心房細動との関係は、
1989~1990年にかけて、
米国の64歳以上の男女4,815人を対象に、
調査を行いました。
アンケート質問表を使って、
「まぐろなどの焼き魚」と
「魚のフライやフィッシュ・バーガー」を、
それくらいの頻度でたべるのかをたずねました。
その後12年間の追跡調査を行いました。
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フィッシュ・バーガーを食べ過ぎると・・・
その後の追跡調査では、
980人が心房細動になりました。
その結果、
「まぐろなどの魚の焼き魚」を多く食べるグループのほうが、
心房細動の発生率が低くなりました。
具体的には、
「月に1回未満」食べるグループと比べて、
「月に1~3回」食べるグループでは、0.82倍、
「週に1~4回」のグループでは、0.72倍
「週に5回以上」のグループでは、0.69倍に、
発生率が下がってしまいました。
その反面、
「魚のフライやフィッシュ・バーガー」を多く食べても、
心房細動の発生は下がらないという結果でした。
(魚の摂取と心房細動の発生率の関係)
月に1回未満 :1.00
月に1~3回 :0.82
週に1~4回 :0.72倍
週に5回以上 :0.69倍
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n-3系不飽和脂肪酸の働きとは!
魚には、
EPA(エイコザペンタエン酸)や
DHA(ドコサヘキサエン酸)などの、
n-3系不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。
このn-3系不飽和脂肪酸には、
血液中の中性脂肪を下げたり、
血小板が固まるのを抑えたりする作用があります。
そのため、
心臓病の予防に役立つ可能性が考えられてきました。
これに加えて最近では、
n-3系不飽和脂肪酸には、
不整脈を抑える作用があるのではないかと考えられています。
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最後に
魚の摂取が日本人より
ずっと少ない米国人を対象に行われました。
じっさい、
この研究に参加した人のなかで、
魚を週に5回以上食べる人は、
全体のわずか20%に過ぎませんでした。
すでに米国人より
はるかに多くの魚を食べている日本人が、
さらに魚をたくさん食べることで、
心房細動の予防につながるかどうかはわかりません。
その点は留意して考えることが必要ですが、
魚の新しい効用をうかがわせる研究として
興味深いものがありますね。
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